休日を利用し一通り遊んだ感想
ゲームとして成立していないレベルではないが些かバランスが悪く、問題点が多い。 ・金策が無い 一定のタイミングで装備の買い替えに必要な金額が跳ね上がり、装備を買い替える頃には1つ前の街で購入した武器でも付近のモンスターを余裕を持って倒せる程になっている事も。 ・敵の強さと経験値のギャップ 出現モンスターの切り替わるエリアに行くと、経験値は1割ほどしか変わらないのに受けるダメージが倍ほど違うといった現象が多くある。 これなら1つ前のエリアでレベルを上げた方が安定する為、せっかく新しいエリアに行ける様になっても「レベル上げ」というこのゲームの大半を占める作業で戦う敵は代わり映えがしないという状態に。 加えて上記の「金策が無い」事と合わさり『新しい街に行っても武器が購入できず、付近のモンスターが強すぎる為エリアを遡りレベル上げをする』のが常駐化する。 ・モンスターの出現頻度 基本的に高い。ダンジョン内で階層を切り替えると2歩進む度に戦闘になった事も。 また、いくつかのダンジョンで『道が曲がりくねっているだけで分かれ道がなく一本道』な事があり、それと合わさった結果戦闘頻度が増えれば増えるほどストレスが増す。 しかも後半のダンジョンになるとラスボスを倒せるレベルになっても先制を取られ、1ターンで倒せず、それなりのダメージを与えてくる敵が複数体バトルに出てくるので、処理と回復にMPを取られる。 ・ボスモンスターの難易度調整 上記の様に『金策に時間がかかる』、『ダンジョン内を探索しているとかなりの強さの敵がかなりの頻度で出てくる』ので、これらを突破できるレベルまで強くなるとボスがただのHPの多いカカシになる。 1〜3のラスボスは全て『カーテン(物理防御up)・ブレスバリア(炎氷防御up)・マジックバリア(魔法防御up)』の3点セットをかけ続けて殴っていれば負けない。特にカーテンは3回まで重ね掛けが可能で、その状態であればラスボスの通常攻撃も1〜3ダメージしか受けずほぼ無視できる。 つまりこのゲームは「如何に雑魚モンスターをすり抜け、MPをある程度保った状態でボスに到達できるか」が肝であり、これが達成できればボスは苦労しない。 ・主人公たちが頗る遅い 上記全てに影響を及ぼしている諸悪の根源。 どれだけレベル上げて通常攻撃ワンパン圏内の火力を手に入れても、かなりの頻度で敵モンスターに先制を取られる。 故に道中に出現する雑魚モンスターの魔法攻撃、ブレス攻撃等でこちらのHPが削られるのでそれを回復するMPが必要になりボス前にMPが無くなり街に戻ると言ったことを繰り返した結果ボスを簡単に倒せるレベルになっている、というパターン。 またボス戦においてはその速度差が特に顕著で、「めちゃくちゃ手応えなかったな……」というボスでさえ先制を取れた記憶がない。 なのでその先制技を喰らっても問題ないHPを確保する=レベル上げに繋がり、ボス戦が『負けイベかと思う程敵が強すぎる』or『驚く程手応えが無い』の二極化に。 ・転職システムの実質的回数上限 ナンバリングの途中から実装された転職システムだが、転職する際に専用アイテムが必要になる。 例として3のシステムを紹介するが、一般職では「転職の書」、上級職になるには「上級職の書」というアイテムが必要になるが、この「上級職の書」が(私の取りこぼしが無い限り)4つしか確保できない。パーティが4人なので全員が上級職に就くともう変更できない。 このボスにはこの職業が有効なので、今だけ転職して……といった使い方が出来ず変更の余地が無いので選択の余地が無く、結果無難なパーティにせざるを得ない。 せめてクリア後に「上級職の書」が手に入れば良かったのだが、無限に購入できるのは「転職の書」だけ。ちなみに上級職から一般職になるのにも「転職の書」は使用するが、また上級職に戻す為には「上級職の書」が必要になる。5つ目は未だ見つけられていない為、一度一般職に戻すと二度と上級職になれない。とんだトラップである。 「こういうので良いんだよ」と言いたくなる様な昔ならではの作業量多めのRPGというより、難易度調整を失敗した作品、というイメージを受けた。