何気なく、さりげなく、救済。
100年でも200年でも同様の日々を繰り返し続けそうな彼らが暮らす屋敷を散策する主人公。存在する過程ゆえの特殊性を感じさせる彼らは、それぞれに境遇から生じた情動に支配されている。普遍的な生命体の持つ強烈なリビドーとは性質を異にする目的は客観の価値に希薄であるが、各々にとってのraison d'êtreであり、それを認容し問題を解決する主人公の行為を通じてプレイヤーはココロを満たす。だから、この幸せなゲームは私にシンパシーを抱かせて、キャラクターに好意を持たせるのである。好意は社会的通念によるコンセンサスの一致から得られるモノでは無いと改めて感じさせてくれる良い作品。