面白いが課題点もあり。
敵の体力が可視化されているので、何発で倒せるかが分かりやすく、スキル構成を考えやすい。また、発動に時間がかかるが広範囲を長く攻撃できるスキル、短い時間だが攻撃の間隔が短く、大きな敵には多段ヒットでダメージを与えやすいスキルなど、それぞれのスキルに良さがあって様々なスキルを使いやすいのはとても良い調整だと思う。そして、自機の速度が最初からそこそこ速めかつ滑らかに曲がることができるので、操作しやすいので敵から逃げやすい。ストレスがかからない調整で良いと思う。 サバイバー系の中では、スキル間での下位互換が少なめ。敵の体力が見えているので、戦略を立てながら戦いやすい。レベルアップも早くてスキルを手に入れやすいなどといったことから、かなり遊びやすいゲームだと思う。 ただし、難点もある。まずはゲームバランス。硬くて大きな敵と小さくて速い敵が同時に一気に現れる形でしか難易度上昇調整がなされておらず、苦労するのは物量攻めによる追い込みのワンパターンのみ。自分の近くに急に大勢敵が現れて理不尽なやられ方をしやすいので、あまり良い調整ではない。また、ステージ最後のボス戦が弱すぎるかつ個性がない。体力が少なめな代わりに素早いボスや一対一での戦いの代わりにダッシュと範囲攻撃を組み合わせた動きをして避けるのが難しいボスなど、個性をつけつつボス戦で難易度を上げる調整にしたらもっと面白くなると思う。通常ステージは物量攻めをやめて難易度を落とし、いかに多くの敵を倒してクリスタルを多く集められるかとプレイヤーに工夫させる調整にした方が良いと思う。こちらが近づくと弾を1発吐いて逃げるといった敵などを作ると、スキル構成でも遠隔攻撃が通常でも必要になってくるので、ワンパターンな構成になりにくくなると思う。 次はスキル。スキル間の下位互換は少ないと書いたが、下位互換になってしまっているスキルもいくつか存在し、それらは総じて使いにくい。 オーブは発動中は自分の周りを守るように攻撃できて便利だが、クールタイムが長すぎて常用しづらい。似たようなスキルでライトニングボールがあるが、あちらは威力はやや低いものの、攻撃範囲がオーブより広く、大きな敵には多段ヒットしやすく、耐久力の低い敵なら一撃で倒しやすく、クールタイムも短いのでこちらの方が圧倒的に使いやすい。レベルアップによるクールタイムや範囲などの強化幅も大きいので尚更。スプレッドは自分の目の前を広く攻撃できるが、目の前しか攻撃できないので、物量から逃げながら攻撃できない。範囲攻撃は他にもあるかつ逃げながら攻撃できるので使いたいとは思いにくい。リジェネは体力回復量が少ないかつスキル発動までの時間が長いので、上げるなら一気に上げないと効果を実感しづらい。体力回復量を少し減らす代わりにスキル発動までの時間を短くするといった工夫は必要だと思う。クリスタルでレベル1だけとってダメージを受けた時の保険にするといった使い道が実用的。道中ならその分クールタイムの短いスキルをとった方がよい。下位互換のものは明らかに使いにくいと感じやすい調整になってしまっている。 最後に育成要素が少ないかつ実用的なものが少ない。クリスタルを使って任意のステータスを上げたりスキルを得ることができるが、育成要素はそれしかない。また、クリスタルの消費量が多すぎてあまり自由に選ぶことができない。ガチャなどを入れても良かったのではないかと思う。なにを得られるかはわからない代わりにコストが低めで多くのスキルやステータス強化ができるガチャ、ガチャよりもはコストが高くなるが必ず伸ばしたいもしくは得たいところを選択できるピックアップ、コストが最も高い代わりに自由度が高く上記2つよりも強力なスキルを得られるスキルツリーの三つに分けてプレイヤーが工夫する形の育成の方が良いと思う。 実用性のあるものは攻撃力アップとEXP取得量アップとクリスタル取得アップのみ。他は道中でレベルアップ時に選ぶものの方が上昇幅が高いか効果を発揮しづらいものばかりなので伸ばす価値がない。スピードアップはゲーム始めは良さそうに思えるが、難しいのは逃げられるスペースが少なすぎるときのみなので速度を上げるメリットがない。 総評。ゲーム部分はサバイバー系の中では最も遊びやすい。スキルの選択肢の幅は種類の少なさと言う面を除けばドラゴンサバイバー並みに広い。ドラゴンサバイバーは初心者には難しく、ザコとボス共に理不尽に難しい場面が多いことを考えるとこちらの方が楽しみやすい。しかし、他のサバイバー系にある楽しみもオミットされてしまっている。私はゲーム部分を評価してこの星の数にしたが、人によっては意見が変わると思う。