現代の河原から
いったい何を並べたらいいのだろう、と僕はふと疑問に思い、手を止める。 キーを叩く音が一斉に止む。 やるべきこと、やりたいこと、やらなくちゃいけないことがたくさんある。 タスクを積み上げては、崩す、その心地よさ。その繰り返し。 鬼に見張られているわけでもないのに、僕たちはそれをやめることができない。 嬉々として自分を管理し、整理し、効率化する。その先に何が待っているのか、僕にはわからない。きっと、誰にもわからないのだろう。 キーを叩く音がまた聞こえだす。いや、1秒たりとも止んではいなかったのだ。 それがすべて雨の音だったらいいのに、と僕は思う。 みんなが降らせた雨が川となり、すべてを押し流してしまい、あたりに積み上げるべき石もなく、積み上げたはずの塔もないとわかったとき、 果たして、僕たちは救われたことになるのだろうか? それとも、そこはまだ河原なのだろうか。 あるいは、僕は働きすぎているのかもしれない。