革命のファンファーレ
全七種のテトリミノを取り揃え、一列分ブロックを埋め尽くすことによりそれらを消滅させることができる。 ソビエト連邦の科学者、アレクセイ・パジトノフは"テトリス"を作成し、それは各種プラットフォーム上で乱立した。 現代では、多くのテトリスを模したアプリケーションが存在する。殊にとりわけ良質だと感ぜられるものが存在した。テラリス3(4人で対戦 スノーDrop)である。 本アプリは、"テトリス"とは大きく違う点がある。そこで批判する点が一つあり、それはテトリミノが七つのモード。即ち、基本的なモードがないことである。これはテトリスの基本概念であり、基盤となる前提の話である。しかし、本アプリはあくまで、"テラリス"であり"テトリス"ではない。このレビューで批判的に論じるのはあくまでテトリスであることを求め、製作者をあまりに絶対的なものとして解釈し、無批判に隷属する我々ユーザーの精神性である。それを踏まえた上で敢えて、まずはじめに、一般的なモードが追加されることが個人的に望ましいということを本アプリの製作者様に伝える。又その理由を記載していく。 なぜ、それが願わしいのか。それは本アプリ、テラリス3が良質であるからという理由に他ならない。素晴らしい点というのはかなり多岐にわたる。 まず抜群の操作性、具体的にいえばミノを降ろした後の動きである。下まで降ろしているのにもかかわらずスムーズに動く。これは簡単なことだが、スマートフォンでの動きとしては難しいと感じる。少なくとも他アプリと比較すれば間違いなく随一だ。次に、スピンについて、スピンは構造上他のアプリも行えることが多かったが、スピンに演出が付いている点は本当に麗しい。 ギアについて、これは面白い。一見平板なブロックゲームが、装備が追加されることにより、アドバンテージを得られる部分がある。敵もギアを使用していることもあり、バランスの崩壊した禁止級のギアが存在していないのも好感が高い。特にスピン、チェイン。チェインについては、一つのブロックで連鎖が起こること自体発想が洗練されていると思う。 トリック、スノー。この2つを以前のパワー、テクニックのように別離せず、1つでプレイ可能にした点もかなり好感が高い。商業資本主義的な観念でいえば、無料のアプリケーションで分ける必要など無いのである。 コンピュータとの対戦は、共にレベル10まで戦ったが、もう少し高いレベルがあっても良いと思う。これもまた全体の主張である、一般モードの追加に倣い、士気が上がるものと思われる。友人との対戦も行なったが、旅先の手すさびとして、最適なものだった。 本アプリの良いところは、雰囲気だ。例えば、置いたミノが揺れ動き、戦闘のエフェクトが激しい。楽しい雰囲気を忘れさせないその姿勢は耽美さを感じさせた。細かな点でいえば、ホールドをタッチした時に反応があるのも面白い。他にもつくーる、操作盤の配置を変えることができる、EDMが流れるなどの点が非常に良質だ。 私はテトリスをプレイする。テラリスをプレイすることが過誤を起こしているというわけではない。全くの別物としてプレイしているのだ。ただ、ここまで良質なものとなると、一般的なモードがでてきてほしい。そんな切なる願いもふと過ぎるものである。して、知名度の上がる出来事。例えばテトリス界の神、あめみやたいよう氏あたりに取り上げられることなどがあればテラリスが表に出る日も近い。日の目にあたれば、プレイ人口は増え、多くの人はこれだけの寸鉄を込めたアプリケーションを作成した製作者様に感服することであろう。 さあ、本アプリを起動しよう。聞こえてくるのは革命のファンファーレだ。 (一部抜粋)